王冠のように見えるギザギザのヒレが特徴のベタ・クラウンテール。そのクラウンテールを真っ黒に染め上げた高級品種がこのブラックオロチと呼ばれる種類です。漆黒のボディと、成長に伴いシルバーなどが混じることもあります。
そんなベタ・クラウンテール・ブラックオロチの飼い方・餌・繁殖・寿命など、必要な情報をまとめました。
名前
ベタ・クラウンテール・ブラックオロチ
学名:Betta splendens var.(※流通名で記載する場合があります)
古くから親しまれているベタ・トラディショナルの改良品種として知られており、ギザギザの切れ込みが浅いものは「コームテール」などと呼ばれます。そしてクラウンテールのショウクオリティともなると、先端の開きが特に大きな「キングクラウンテール」や、尾ビレの先端が交差する「Xレイ」、「Xクロス」と呼ばれる個体もおり、非常にコレクション性の高い種類となっています。
体長(サイズ)
約7cm
その名のとおり王冠(クラウン)のようなギザギザのヒレが特徴的な種類です。軟条の切れ込みが深い個体ほど美しいとされる一方で、尾ビレがあまり開かないという面もあります。
漆黒のようなブラックボディがとても美しく、緑が多い水草水槽などにも映えます。
寿命
約3~5年
飼育する環境による所が大きいですが、一般的な寿命です。このサイズにしては比較的長生きする方なので是非じっくりと飼い込んであげて下さい。
特徴
飼育は容易
ベタ・クラウンテール・ブラックオロチはその他ベタと同様に飼育は容易です。
人工飼料にも餌付きますので、食いつきなどを確認しながら個体に合ったものを与えましょう。
ベタは同種にはとても気が荒くなりますが、他種に対しては温厚で、混泳も可能です。ベタのヒレをつっつくような乱暴な魚でなければ特に問題はありません。また、ビーシュリンプやミナミヌマエビなどの小さなエビは、ベタの格好の餌となってしまいますので混泳は禁物です。が、不安な方はやはりベタのみの単独飼育がオススメです。
水温・水質(pH)
20~28℃・弱酸性から中性(pH5.5~7.0)
ベタはとても丈夫で、比較的幅広い水温に対応できます。さすがに冬はヒーターが必要ですので予め用意しておきましょう。
本来の環境に近いブラックウォーターを作ると安定します。
餌(エサ)
人工飼料・生き餌
人工飼料で問題ないでしょう。冷凍アカムシなどの生き餌も好みますので、個体に合わせて餌を変えるといいでしょう。
繁殖
繁殖は可能だがやや難易度が高い
ベタを飼育していると、水面に泡が溜まっている光景を目にします。ベタは「バブルネストビルダー」と言われる特性を持っており、これはオスが水面に泡巣を作り、そこで卵を孵化させるというものです。ベタの飼育に慣れてきて繁殖にチャレンジしたい方は是非挑戦してみましょう。ただ、ベタはやはり同種間で激しく争う傾向にありますので、十分に成熟したペアでないと繁殖は難しいでしょう。また、サイズが極端に違ってもただの弱い者いじめになってしまうのでサイズは合わせましょう。
十分に成熟したペアであれば、オスは泡巣を作り、メスは腹部が膨らみ抱卵します。この時、泡巣が作りやすいよう浮草などを水面に浮かべるのもオススメです。
ベタの産卵はとても情熱的で、しばしばこの光景が話題に上がります。オスが長いヒレを絡ませるようにしてメスにベッタリ(ベタだけに)と絡みつき、メスが産み落とした卵をせっせと泡巣に運びます。オスはそのまま卵が孵化するまで泡巣を守り続けます。(健気……)この時オスの邪魔をしないよう、メスは産卵後速やかに別の容器に移しましょう。
無事に稚魚が生まれたら、今度はオスを別の容器に移しましょう。ここからは稚魚の飼育に集中します。
稚魚はとても小さいので初期の餌やりには注意が必要です。大きい餌は食べられないので最初はインフゾリア(ゾウリムシ)などの微生物を用意する必要があります。ある程度育ったらブラインシュリンプに切り替えていきます。餌の残りなどで水質が急激に変化しやすくなりますので、適度な水換えで水質を安定させる事を意識しましょう。
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