一番メジャーな熱帯魚は?と聞かれたら「グッピー」と答える方も多いと思います。優雅な長いヒレと、カラフルな色彩は非常に多種多様で見るものを楽しませてくれます。改良品種の為、飼育も容易ですので初心者の入門魚としてもオススメの熱帯魚です。
そんなグッピーの飼い方・餌・繁殖・寿命など、必要な情報をまとめました。
名前
グッピー
学名:Poecilla reticulata var.(※流通名で記載する場合があります)
ベネズエラが原産と知られており、別名「ミリオンフィッシュ」と呼ばれるグッピーは 、世界中で様々な品種が作出されており、美しさを競うコンテストなども開かれるほど超メジャーな熱帯魚です。【熱帯魚はグッピーに始まりグッピーに終わる】という言葉があるほど、初心者向けのイメージが強く逆に初心者から避けられがちなグッピーですが、実は玄人からも愛される偉大な熱帯魚なのです。国内に流通しているのは外国産が多く、国産グッピーは比較的高価になります。が、国産グッピーは日本の水に慣れており水槽導入時の失敗が少なくなる傾向にあります。
体長(サイズ)
約5cm
オスに比べてメスの方が一回り大きくなります。
色彩、ヒレの長さなどは作出された産地や種類、そして個体により異なります。ここがグッピーの面白い所であり、繁殖力も強い為、自分だけのグッピーを作出する楽しみもあります。コレクション性の高さからコンテストが開かれるのも納得です。
寿命
約1~2年
飼育する環境による所が大きいですが、一般的な寿命です。短命に終わる事もありますが、繁殖力が素晴らしく、いつの間にか稚魚が泳いでいた、なんて事も多々あります。世代を引き継いで長く楽しめる熱帯魚です。
特徴
飼育は容易だが、混泳には注意が必要
グッピーは病気にさえ罹らなければ非常に丈夫で、エサもなんでも食べる為とても飼いやすい種類です。
混泳させる場合は注意が必要で、グッピーの美しさの特徴である長いヒレを守る為に、ヒレをかじらない温和な種類を選択しましょう。カラシンやオトシンクルス、コリドラスなどとは相性が良いのでオススメです。また、同じグッピー同士を混泳させる場合ですが、長いヒレで遊泳スピードの遅いリボン、スワロー種、視力が弱いRREA(リアルレッドアイアルビノ)種との混泳は避けた方が良いでしょう。
繁殖(ブリード)を目的にする場合は、稚魚が食べられてしまう恐れがあるので混泳は避けた方が無難です。
そしてプラティなどの同じ卵胎生メダカと混泳させる場合は同種間での小競り合いが見られます。隠れ家となる流木や水草を多めに入れてあげるといいでしょう。同じ卵胎生のメダカなどと混泳させると交雑する可能性がありますので注意して下さい。また、卵胎生メダカと混泳させる場合、細菌性の疾患に罹りやすい傾向にあります。導入前にトリートメントをすると安心です。
水温・水質(pH)
22~28℃・中性~弱アルカリ性(pH7~8.5)
グッピーは混泳させる事も多いと思いますので他の魚の適温である26℃前後で問題ないでしょう。尾ビレが傷つくと病気に罹りやすくなる為、ヒレが大きく長い種類は混泳させる種類に注意し、水流も弱めにしてあげると良いでしょう。
水質は中性~弱アルカリ性を好みます。牡蠣の殻などで弱アルカリ性に傾けるのもアリですが、あまりアルカリ性に傾くとアンモニアの毒性が増す為できるだけ中性付近に調整しましょう。
導入時の水質の変化にはとても敏感で細菌性の感染症に罹りやすくなります。水槽導入時はしっかりとトリートメントを行い、点滴法などでじっくりと時間をかけて水合わせを行うようにして下さい。
餌(エサ)
人工飼料・生き餌など
基本的に何でもよく食べる大食漢で、植物質のエサを特に好みます。エサに関しては特に気を使う必要はないでしょう。
口は小さめなので、粒状の人工飼料を細かく砕いて与えると良いでしょう。あげすぎてしまうと食べ残しなどで水を汚してしまいますので与える量に注意しましょう。
繁殖
稚魚を直接産む「卵胎生」で容易に繁殖が可能
グッピーは卵ではなく、稚魚を直接産み落とす「卵胎生」と言われる産卵方式をとります。グッピーの繁殖力はとても強く、みるみる内に増えてしまって困ってしまった、なんて話もよく聞きますので予め知っておきましょう。
オスメスを複数入れて飼育していると交尾を行います。オスの尻ビレ付近は細長くなっており、交尾の際に交接器(ゴノポディウム)として機能します。交尾から約1ヶ月程度でメスの腹部の膨らみが目立つようになり、出産が始まります。初産で生まれる稚魚は少なめですが、出産の回数を重ねる毎に生まれる稚魚の数が増えていく面白い特性を持っています。また、一度の交尾で複数回出産することでも有名です。
生まれたばかりの稚魚はある程度の大きさがありますが、親に食べられてしまうことがある為、腹部の膨らんだメスがソワソワしていたりじっと動かなくなったり普段と違う行動をしたらサテライトなどに隔離してあげると安心です。また、水草を豊富に植えて稚魚の隠れ家を作るのも効果的です。
稚魚は比較的大きいので砕いた人工飼料なども普通に食べられますが、小さいうちは水質の変化にも敏感ですので水替えなどをマメに行い水の汚れには気をつけましょう。
その他の似た種類
卵胎生メダカの代表種。カラーリングは多岐に渡る。
アルビノとはまた違う雰囲気で、全身が白く染まるかわいい種類。
黄色いパンダのような色彩が魅力的な種類。