腹部が風船のように膨らんだ姿が可愛いミックス・バルーンモーリー。飼育も比較的容易で初心者の方にもオススメのこのモーリーは、個体によってカラーや模様が異なる点が特徴的です。泳ぎ方も愛嬌があり、いつまでも見ていて飽きません。
そんなミックス・バルーンモーリーの飼い方・餌・繁殖・寿命など、必要な情報をまとめました。
名前
ミックス・バルーンモーリー
学名:Poecilia velifera var.(※流通名で記載する場合があります)
原種はメキシコに生息するセルフィン・モーリーで、そのセルフィン・モーリーを改良したのがこのミックス・バルーンモーリーです。セルフィン・モーリーの特徴でもある長く大きな背びれは、ミックス・バルーンモーリーのオスにも受け継がれており、オスの背びれはメスと比較して長く大きくなります。
体長(サイズ)
約5cm
この様々な体色・模様の秘密は、ブラック・モーリーなどの血統を加えた事(種間交雑)に依るところが大きいとされています。非常にカラフルな色彩の個体も存在し、個体差が非常に激しい種類なのでお気に入りの子を探すのもまた一興です。
寿命
約2~3年
飼育する環境による所が大きいですが、一般的な寿命です。
特徴
食欲旺盛で丈夫なので初心者にもオススメ
ミックス・バルーンモーリーは病気にさえ罹らなければ非常に丈夫で、エサもなんでも食べる為とても飼いやすい種類です。
オスの方が若干気が荒いようです。同種間での小競り合いがたまに見られる場合は、隠れ家となる流木や水草を多めに入れてあげるといいでしょう。
混泳をさせる場合は同サイズの温和な種類、または小型のコリドラスなどがオススメです。グッピーなど同じ卵胎生のメダカと混泳させると交雑する可能性がありますので注意して下さい。
水温・水質(pH)
26℃前後・中性~弱アルカリ性(pH7~8)
ミックス・バルーンモーリーは混泳させる事も多いと思いますので他の魚の適温である26℃前後で問題ないでしょう。
水質は中性~弱アルカリ性を好みます。牡蠣の殻などで弱アルカリ性に傾けるのもアリですが、あまりアルカリ性に傾くとアンモニアの毒性が増す為できるだけ中性付近に調整しましょう。
導入時の水質の変化にはとても敏感で細菌性の感染症に罹りやすくなります。水槽導入時は点滴法などでじっくりと時間をかけて水合わせを行うようにして下さい。また、ミックス・バルーンモーリーは塩分に耐性があるので病気の予防として塩を入れるのも効果的です。(60cm水槽で一握り程度)
餌(エサ)
人工飼料・生き餌など
基本的に何でもよく食べる大食漢で、植物質のエサを特に好みます。エサに関しては特に気を使う必要はないでしょう。
繁殖
稚魚を直接産む「卵胎生」で比較的容易に繁殖が可能
ミックス・バルーンモーリーは卵ではなく、稚魚を直接産み落とす「卵胎生」と言われる産卵方式をとります。オスメスを複数入れて飼育していると交尾を行います。交尾から約1ヶ月程度でメスの腹部の膨らみが目立つようになり、出産が始まります。初産で生まれる稚魚は少なめですが、出産の回数を重ねる毎に生まれる稚魚の数が増えていく面白い特性を持っています。また、一度の交尾で複数回出産することでも有名です。
生まれたばかりの稚魚はある程度の大きさがありますが、親に食べられてしまうことがある為、腹部の膨らんだメスがソワソワしていたりじっと動かなくなったり普段と違う行動をしたらサテライトなどに隔離してあげると安心です。また、水草を豊富に植えて稚魚の隠れ家を作るのも効果的です。
稚魚は比較的大きいので人工飼料なども普通に食べられますが、小さいうちは水質の変化にも敏感ですので水替えなどをマメに行い水の汚れには気をつけましょう。
その他の似た種類
漆黒のボディが水草水槽によく映える原種。藍藻や油膜の除去にも効果が期待できる。
鮮やかな黄色に染まる改良品種。弦楽器のライアーのような形で、尾びれの上下が長く伸びているのが特徴的な種類。
銀色のボディが水草水槽によく映える改良品種。