フグらしい独特の丸み、ホバリングのようなユニークな泳ぎ姿、つぶらな瞳がとてもかわいいミドリフグ。フグと言えば海水のイメージですが、このミドリフグは汽水での飼育が可能です。また条件はありますが、淡水環境でも飼育可能なフグです。
そんなミドリフグの飼い方・餌・繁殖・寿命など、必要な情報をまとめました。
名前
ミドリフグ
学名:Tetrandon nigroviridis(※流通名で記載する場合があります)
フグ目フグ科に属する、列記としたフグです。インド周辺の汽水域(海水と淡水が混じった区域)に生息している種類で、ショップなどでも見かけることの多いメジャーなフグです。汽水で飼育してあげるのが一番ですが、淡水でも飼育は可能です。ただ淡水で飼育をする場合は肌荒れを起こす可能性があるので若干の塩分を入れてあげましょう。
体長(サイズ)
約5~10cm
ショップなどでは2~3cm程度の個体で販売されている事が多いです。野生では15cm程度にまで大きくなりますが、一般の飼育下では10cmくらいで落ち着くようです。
体の特徴としては名前の通り、緑味がかった下地に黒いスポット模様が入ります。威嚇時などは体内に水や空気を取り込んで体をプクーッと膨らませるフグ特有の行動が見られます。
寿命
約5年
飼育する環境による所が大きいですが、一般的な寿命です。
特徴
気性が荒く魚食性の強さから単独飼育がオススメ
ミドリフグは基本的には雑食性ですが、肉食性が強い為、小魚やエビなどを食べてしまいますので混泳は避け、単独での飼育がオススメです。
水面から飛び跳ねるような行動も取りますので蓋(フタ)をするなど対策を行っておきましょう。
また、ミドリフグは強靭な歯を持っており、大きいサイズになるとヒーターの電源コードやエアレーションで使用するチューブなどをかじってしまう可能性があるので設置場所などの工夫をしておいた方が良いと思います。
フグの毒性(テトロドトキシン)についてですが、フグの毒性はフグが摂取した微生物に含まれる細菌によるものが大きいとされており、ワイルド個体(野生)のものはフグ毒を持っている可能性があります。逆に養殖個体(ブリード)は、生まれた時から人工飼料やブラインシュリンプを食ている為、その体に毒性はないと言われています。
水温・水質
24~28℃・中性から弱アルカリ性(pH7~8.5)
汽水の環境に生息している為、割と幅広い水温に適応できますが、水質は海水に近いアルカリ性に傾けた方が調子は上がります。
フンなどから生まれるアンモニアはミドリフグにとっては有毒ですので、溜まり過ぎないよう水換えのタイミングには気を遣いましょう。
また、導入時など急激な水質の変化はストレスとなり白点病などの病気を発症する可能性が高まります。水槽導入時は水合わせを行うようにして下さい。
餌(エサ)
冷凍赤虫・クリルなど
肉食性が強い生態の為、生餌を与えるのがオススメです。
赤虫など柔らかいものばかりを与えていると前歯が伸びる傾向にあり、自然界と同様にエビなどの甲殻類を餌として与える事で前歯が伸びすぎるのをある程度防ぐことが出来ます。(自然界ではサンゴなど硬いものをかじって歯を整えています。)また、慣れれば人工飼料での育成も可能です。フグ用の人工飼料なども販売されていますので餌付けにチャレンジしてみるのもいいでしょう。
注意する点としては、餌のあげすぎによる水質の悪化です。こまめな水質チェックを行いましょう。
繁殖
一般の飼育下では繁殖は困難
ミドリフグの繁殖は一般の飼育下では難しいでしょう。水質の問題もありますが、それ以前にミドリフグが気性の荒い性格なので同種間でもしょっちゅう喧嘩をしてしまうからです。オス・メスの判別もつきにくいので初心者の方にはオススメ出来ません。
その他の似た種類
世界最小と言われる淡水で飼育できるフグ。その可愛さから非常に人気が高い。
淡水で飼育が出来るフグ。アベニーパファを赤くしたような姿で人気の種類。