「え?海水じゃなくてもフグが飼えるの!?」と驚く方も多いと思いますが、このアベニーパファーは淡水で飼育が出来ます。世界最小とも言われる小柄なサイズ、フグらしい独特の丸みを持つデザイン、愛らしい動きに癒される事間違いなしです!
そんなアベニーパファーの飼い方・餌・繁殖・寿命など、必要な情報をまとめました。
名前
アベニーパファー
学名:Carinotetraodon travancoricus(※流通名で記載する場合があります)
フグ目フグ科に属する、列記としたフグです。インド原産の世界最小淡水フグとして多くの人に愛されています。
ホバリングをするかのように泳ぐその姿はとても可愛く、女性にも人気が高い種類です。
体長(サイズ)
約2~3cm
大きくならないため小型水槽でも十分に飼育が可能です。威嚇時には腹部と背部を広げるフグらしい姿も見られます。
体の特徴としては、黄色味がかった下地に黒い斑点模様が入ります。オスは目の周辺に皺(シワ)が入り、メスは腹部以外に黒いドットが入る為、オスメスの判別は比較的しやすいと言えます。
寿命
約2~3年
飼育する環境による所が大きいですが、一般的な寿命です。
特徴
肉食性の為、エビやヒレの長い魚との混泳には注意
アベニーパファーはフグの中では温厚な種類として知られていますが、同種間や他種間でも小競り合いを起こす事があるので隠れ家(水草でも可)を多く用意しておくといいでしょう。
※柔らかい水草だと、アベニーパファーがかじってしまう事があります。
肉食性が強く、貝などを好んで食べます。その為、スネールなどの巻貝駆除が目的で水草水槽に入れる方もいます。
また、グッピーなどヒレの長い魚と混泳させると、アベニーパファーに噛みつかれてヒレがボロボロになってしまうので混泳は避けましょう。同じくヤマトヌマエビなどのエビも、アベニーパファーからすると格好の捕食対象となってしまいますのでコチラも混泳は避けましょう。他の生体への影響が不安な方はアベニーパファーの単独飼育がオススメです。
フグの毒性(テトロドトキシン)についてですが、フグの毒性はフグが摂取した微生物に含まれる細菌によるものが大きいとされており、ワイルド個体(野生)のものはフグ毒を持っている可能性があります。逆に養殖個体(ブリード)は、生まれた時から人工飼料やブラインシュリンプを食ている為、その体に毒性はないと言われています。
水温・水質
22~25℃前後・弱酸性から弱アルカリ性(pH5.5~8.5)
水温は一般的な熱帯魚の適温に多い26℃よりもやや低めを好むようです。
また、導入時など急激な水質の変化はストレスとなり白点病などの病気を発症する可能性が高まります。水槽導入時は水合わせを行うようにして下さい。
餌(エサ)
赤虫・イトメ・ブラインシュリンプなど
自然界でも貝などを食べている肉食性が強い生態の為、生餌を与えるのがオススメです。
赤虫など柔らかいものばかりを与えていると前歯が伸びる傾向にあり、自然界と同様に硬い殻を持つ巻貝など硬いものを餌として与える事で前歯が伸びすぎるのを防ぐことが出来ます。また、フグ用の人工飼料なども販売されていますので餌付けにチャレンジしてみるのもいいでしょう。
注意する点としては、餌のあげすぎによる水質の悪化です。
アベニーパファーは体が小さい為、非常に小食です。食いつきがいいからと言って一度に餌をあげ過ぎると食べきれずに残った餌が水質を悪化させます。出来れば一日に複数回、食べられる分だけを少しずつ与えるといいでしょう。
繁殖
産卵は容易だが生まれた卵が食べられないように注意が必要
アベニーパファーの繁殖は比較的容易とされており、水槽内にオスメスが複数匹いる状態でエサをあげて飼育していれば繁殖する事があります。
繁殖期は「婚姻色」が出ます。オスは腹部周辺のラインがくっきりと目立つようになり、メスは黄色味が強くなり、背部に細かいスポット模様が入ります。
繁殖に成功するとメスは卵を水草や素材の陰などにバラバラとばら撒くように生み落とします。この卵をそのまま放っておくと、他の魚や卵を産んだ親魚にあっという間に食べられてしまいます。その為、卵を回収するなどの配慮が必要です。
サテライトなどに隔離しておよそ1週間で孵化します。稚魚にはブラインシュリンプを与えて飼育すると良いでしょう。
ある程度育ってしまえば問題ありませんが、小さいうちは水質の変化にも敏感ですので水替えなどをマメに行い水の汚れには気をつけましょう。
その他の似た種類
淡水で飼育が出来るフグ。アベニーパファを赤くしたような姿で人気の種類。
10cm前後の大きいサイズのフグ。メジャーな種類で愛好家も多い。