人になつきやすく、飼育方法や環境により発色や成長度合いが変化する奥深さから多くの方に愛されるフラワーホーン。その美しさを競うコンテストも開催されており、飼育する楽しさを存分に味わえます。ちなみにチリレッドは赤が強くなる種類です。
そんなフラワーホーン・チリレッドの飼い方・餌・繁殖・寿命など、必要な情報をまとめました。
名前
フラワーホーン・チリレッド
学名:Cichlasoma citrinellum(※流通名で記載する場合があります)
シクラソマという種類を元に作出された改良品種です。2001年のアクアラマで公開されてから、人に慣れやすくその奥深さから世界中にペットフィッシュとして広まりました。成長すると大きくなるおでこのコブを【相】、幸福を意味する赤い体色は【彩】、花の弁のように見えるボディのスポット模様は【様】と呼ばれ、コンテストではこの3つのコントラストが重要な位置を占めています。
体長(サイズ)
約30cm
中・大型シクリッドのフラワーホーンは最大で30cm程度まで成長します。
フラワーホーン・チリレッドは赤味が特に強く出る種類で、幼魚の頃からはとても想像もつかないような姿に変化します。
ちなみに、おでこのコブが大きくなるものはオスとされておりますが、ショップなどに流通している幼魚からオスメスを判別するのは難しいでしょう。ただ流通するのはほぼオスなのでそこまで気にしなくてもいいです。不安な方はしっかりとしたショップで店員さんに確認してから購入する事をオススメします。
体系や体色で値段がピンキリな魚で、幼魚は数千円、高品質な個体は数百万円と、その姿によりかなりの価格差があります。初心者の方は数千円の幼魚から育てるのもいいと思います。幼魚の頃は正直どんな姿になるか分かりませんが、その分成長が楽しみな種類で飼育が楽しくなる事間違いなしです。
寿命
約10年
飼育する環境による所が大きいですが、一般的な寿命です。
丈夫で餌をよく食べ大きくなる為、小型魚と比べるとかなり長生きです。
特徴
大型水槽(60cm以上)で単独飼育が好ましい
フラワーホーン・チリレッドはシクリッド種なので気性が荒く、他の魚を執拗につっつく為、混泳には向きません。
その為、60cm以上の大型水槽で単独飼育がオススメです。
またエサをよく食べ、よくフンをする為、アンモニアや亜硝酸塩などでもダメージを受けてしまうのでろ過不足にならないよう水替えをこまめに行うといいでしょう。
フラワーホーンは水槽が汚れやすく掃除が大変な為、ソイルなどの底床を敷かない、いわゆる「ベアタンク」水槽での飼育がオススメです。
1日単位で体格や体色が変化すると言われており、非常に飼育しがいがある種類で、成魚になるにつれ美しくなる姿は、まさにペットフィッシュとして最適です。
水温・水質(pH)
20~28℃・弱酸性~弱アルカリ性(pH5.5~8.5)
基本的に丈夫な種類なので病気にも罹りにくいですが、強いて気を付けると言えば幼魚の頃の白点病でしょうか。白点病の予防には高めの水温が効果的です。
水質は中性前後なら問題ないでしょう。水を汚しやすいのでマメに水替えをしてあげる事が大切です。
餌(エサ)
人工飼料・クリルなど
雑食性の為基本的にはなんでも食べますが、肉食性の強い餌を好みます。また、色揚げ用のクリルなどを与えると、発色に効果が期待できます。
フラワーホーンの餌は各メーカーから様々な種類が出ていますので、是非色々試してみて下さい。
繁殖
一般的な飼育環境での繁殖はやや困難
フラワーホーンは流通するものがほとんどオスの為、まずメスを見つけるのが困難です。幼魚の頃からオスメスを複数匹入れ、自然にペアができるのが理想ですが、幼魚の頃はオスメスを見分けるのがかなり難しい為、繁殖の環境を作る過程でまずその壁に阻まれます。
また、同種間でも頻繁に争い、仲良くなってるかな?と思った次の日に争っていた、なんて事もあるので、一般的な飼育環境での繁殖は向かないと言っていいでしょう。
幸運にも繁殖に成功した場合、流木などを入れておくとそこに産卵をします。幼魚にはブラインシュリンプなどを与えて育てましょう。
その他の似た種類
腹部から口にかけて真っ赤に染まる色彩が特徴的な種類。
赤いライン、ヒレ、尾ビレに入る美しいスポット模様が特徴的な種類で「アースイーター」とも呼ばれる。