このスノーホワイト・ディスカスは、日本での流通量が極めて少ない激レア品種です。雪のように白い体色が美しい改良品種ですが、赤系の色素を貯め込む細胞は存在している為、色揚げ用の餌を与えると赤みが増してしまう事もあるので要注意です。
そんなスノーホワイト・ディスカスの飼い方・餌・繁殖・寿命など、必要な情報をまとめました。
名前
スノーホワイト・ディスカス
学名:Symphysodon aequifasciata var.(※流通名で記載する場合があります)
ディスカスは南米のアマゾン川が原産の淡水魚で、平ぺったい体の薄さと丸い体型がディスク(円盤)のように見える事からその名が付けられました。体色や模様は個体によって様々で、その美しさにより値段もピン(数千円)からキリ(数十万)まで幅広い種類です。諸説ありますが、「ヘッケルブルーディスカス」、「ブルーディスカス」、「グリーンディスカス」、「ブラウンディスカス」の4種類が原種と言われています。ディスカスはとても人気が高く、その他にも様々な特徴を持ったディスカスが品種改良により日々生まれています。
体長(サイズ)
約15~20cm
本種は白い発色が幻想的な雰囲気を醸し出す流通量の少ない種類です。赤い色素を貯め込む細胞は健在ですので、色揚げ用の餌を与えると赤みが出てきてしまいます。飼育の仕方によって仕上がりに大きな差が出る奥深い種類です。
寿命
約5年~
飼育する環境による所が大きいですが、一般的な寿命です。「10年以上生きた」なんて話はザラにありますので、じっくりと飼い込んでいきたい種類です。
特徴
さすが「熱帯魚の王様」は気を遣う所がたくさん
ディスカスは「飼育が難しい」と言われがちですが、事前に情報を仕入れておくだけでかなり敷居は下がります。気を遣う所はたくさんありますが、それを差し引いても、その存在感・美しさはやはり他の魚とはひと味もふた味も違います。
ディスカスは高水温での飼育に適しており、水温は30℃前後とかなり高めの水温が必要です。特に稚魚ともなると30~32℃の高水温が必要になってきます。ヒーターは温度固定式ではなく、任意の値に調整ができるものを用意し、万が一の場合の予備も準備しておきましょう。
そして7cm前後の大きさになったら、高さ45cm以上の大きめの水槽で余裕を持った飼育をしましょう。こうすることで、ディスカスの体高やヒレが伸長し、より美しい姿に成長してくれます。
混泳ですが、高水温に耐えられる魚であれば可能です。クラウンローチなど餌の残りを食べてくれる魚は相性が良いのでオススメです。
また、ディスカスの飼育でディスカスハンバーグなどを与えると水が汚れやすい傾向にあります。なるべく水質を一定に保つため、ソイルなどの底床を敷かない「ベアタンク」水槽での飼育がオススメです。維持は大変ですが、水草水槽などレイアウト水槽で飼育する方もたくさんいます。
水温・水質(pH)
27~32℃・弱酸性~中性(pH5.5~7)
水温は30℃前後の高めを好みます。ろ過の効いた綺麗な水を好み、水質は弱酸性~中性を維持する事で安定した飼育が可能です。
強い水流は好まない(繁殖にも悪影響です)ので、水流は弱めにしてあげて下さい。
餌(エサ)
人工飼料・生餌など
上手く飼育するのに重要な要素を占めるのが餌です。
人工飼料・冷凍アカムシなどの生き餌の他に「ディスカスハンバーグ(牛ハツのミンチに様々な栄養を添加したもの)」を与える愛好家も多いです。ただ、ディスカスハンバーグは水を汚しやすいので注意が必要です。ろ過をしっかりと行い、掃除などのメンテナンスもマメに行いましょう。
ディスカス専用フードの人工飼料や、ディスカスハンバーグなども販売されています。ディスカスハンバーグを自分で作るディスカス愛好家も意外と多いです。
繁殖
繁殖を狙うなら水温に注意しながらじっくりと
ディスカスの繁殖に挑戦する場合、焦りは禁物です。複数匹で飼育をし、自然にオスメスのペアができるのを待ちましょう。ペアが出来たら繁殖用の水槽(産卵筒やフィルターのパイプなど産卵基質になるものを予め設置)に隔離し産卵を待ちましょう。
何もしなくても繁殖するペアもいますが、水温を27℃から28℃程度に下げ、水質もpH6.0~6.5程度の弱酸性にし軟水に近い環境にする事で繁殖を促すことが出来ます。オスの放精量は少ないため、流されてしまわないよう水流は弱めにしましょう。
ディスカスは親魚が卵や稚魚の世話をする魚としても知られており、基本的には親魚に任せて構いませんが、未熟なペアや、環境の変化などで卵を食べてしまうこともあります。不安な方はペアを入れ替えたり、産卵筒にカバーをかぶせるなどの対策で防ぎましょう。
生まれたばかりのディスカスは、多種の稚魚で与える事が多いブラインシュリンプやインフゾリアなどのプランクトンを食べる事が出来ません。ディスカスの世界では、親が「ディスカスミルク」と呼ばれる粘液を分泌し、稚魚はそれを摂取します。稚魚の飼育には「ディスカスミルク」が欠かせません。さらに稚魚は30~32℃程度の高水温が必要です。
ディスカスミルク以外のものにも反応するようになったらブラインシュリンプなどを与えていきましょう。
その他の似た種類
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