真紅の宝石という意味をもつ美しい熱帯魚スカーレットジェム。1999年頃に紹介された比較的新しい種類ですが、その赤い色彩の美しさから瞬く間に人気種となりました。サイズは小さいので10匹以上の群れで導入すると水槽によく映えます。
そんなスカーレットジェムの飼い方・餌・繁殖・寿命など、必要な情報をまとめました。
名前

スカーレットジェム
学名:Dario dario(※流通名で記載する場合があります)
インドが原産のバジスの仲間です。美しい発色を見せるオスに比べ、メスは灰色の地味な体色をしており、このことからオスのみで輸入されることが多く、メスの流通量が非常に少なく貴重になっています。
体長(サイズ)
約3cm
成魚になっても3cm程度とサイズは小さいですが、赤いヒレとボディに入る赤いバンド模様が特徴的で、緑の多い水草水槽にもよく映える美しい種類です。
寿命
約1~2年
飼育する環境による所が大きいですが、一般的な寿命です。
特徴
飼育難易度は低いが餌やりに注意が必要
スカーレットジェムの飼育難易度は低く、比較的飼いやすい熱帯魚です。主に低層~中層あたりをホバリングするように泳ぎまわります。
ただ、人工飼料に餌付きにくい為、アカムシやブラインシュリンプなどの小さな生き餌を与える必要があります。徐々に慣らす事で乾燥赤虫なども食べるようになりますので根気強く慣らしていきましょう。
他種に対しては性格も温和で、小型カラシンなどとの混泳も可能です。
水温・水質(pH)
20~25℃・弱酸性から中性(pH5.5~7.0)
スカーレットジェムを飼育する場合、多くの熱帯魚の適温である26℃よりやや低い水温が好みのようです。水温が高くなりがちな初夏から真夏は注意しましょう。
導入時の水質の変化には敏感ですので、水槽導入時は点滴法などでじっくりと時間をかけて水合わせを行うようにして下さい。
餌(エサ)
生き餌など
スカーレットジェムは人工飼料に餌付きにくい為、アカムシやブラインシュリンプなどの小さな生き餌を与えましょう。徐々に慣らすことで、乾燥アカムシなども食べるようになり少し管理が楽になります。
他の魚と混泳している場合は、餌をしっかりと食べられているかよく観察してあげましょう。
繁殖
水草の繁栄した環境がオススメ
スカーレットジェムの繁殖は比較的容易とされています。水草が十分に植えられた水槽では、「気がついたら稚魚が泳いでいた」なんて事も多々あります。
どうしても美しいオスばかりが流通するため、まずはメスの確保を優先しましょう。
十分に成熟したペアであれば流木や水草の根本などでお互いがまきつくようにして繁殖を行います。バラ撒くように産卵をするため、水草が豊富に繁殖している環境がオススメです。豊富な水草は生まれた稚魚達の隠れ家にもなる為、安心です。
難易度が高いのは稚魚が生まれてからで、稚魚は非常に小さく初期飼料がとても難しい為、ブラインシュリンプよりもさらに小さい餌となるインフゾリアなどを与えて飼育する必要があります。
ある程度育ってしまえば問題ありませんが、小さいうちは水質の変化にも敏感ですので水替えなどをマメに行い水の汚れには気をつけましょう。
その他の似た種類
黄色い宝石とも呼ばれる透明感のある体色が美しい種類。ハセマニアの名称でも知られる。
透明な体と赤く染まった尾ビレのコントラストが美しい種類。
背びれや腹ビレなどの先端が白く、水槽内での存在感が際立つ種類。