熱帯魚を飼育する為に必ず知っておきたい7つのこと<生体知識入門編>【アクアリウム】

「熱帯魚などの生体を飼育したい!」という方、アクアリウムを始める為にまずは最低限知っておきたい生体の知識を頭に入れておきましょう!

以下は熱帯魚を飼育する為に必ず知っておきたい7つのこと<生体知識入門編>です。

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1「飼育する生体のサイズを知る」

飼育しようとする生体がどれくらい大きくなるのか知っておく必要があります。ショップで販売されている状態が3cm程度で「可愛い!」と思っても、成長すると「思ったより大きくなってしまった……」という事がよくあります。最初から知っておく事で心構えが出来ていますので、大きくなっても慌てる必要がありません。

そして生体のサイズを知るメリットのもうひとつに、適切な水槽サイズを最初から選択できる、という事があります。

ひとつの水槽で生体が快適な生活を送れる目安として、1L=1cmというものがあります。たとえば3cmの熱帯魚を飼育する場合は以下のようになります。

30cmキューブ水槽の水量は約25Lですので、8匹程度が快適に飼育できる数となります。60cm水槽の水量は約60Lですので、20匹程度が快適に飼育できる数となります。(あくまでも大まかな目安です。)

この目安を超えて飼育する場合は、エサやフンによる汚れがひどく水質が変化しやすくなりがちです。初心者の方はこの目安を参考に飼育する生体を選択すると良いでしょう。

2「寿命を知る」

飼育する熱帯魚の寿命を知らないまま飼育をする方は意外といます。やはり生き物を飼う以上、その寿命は知っておくべきです。

もちろん種類によって違うので一括りにはできませんが、一般的に小型の熱帯魚の寿命はおおよそ2~3年大型では10年を超えるものもいます。

飼育する生体の寿命をあらかじめ知っておくことで、長生きした時には自分の飼育法に自信がつき、寿命を全うできなかった場合、自分の飼育法の何が悪かったのかを学ぶことが出来ます。

飼育する環境によっては平均寿命を大きく更新し、びっくりするくらい長生きする生体もいます。せっかく飼育するなら是非その子達が長生きできるよう努めたいものです。

3「適切な水温を知る」

水中で暮らす生体達には、健康に活動できる適切な水温というものがあります。

人間でも30℃を超えると過ごしにくく、35℃を超えた日には熱中症などの危険性もありますよね。生体達も元々は自然界にいた為、自然界と違う温度だと調子を崩して病気になったり、元気を無くしたりしてしまいます。

飼育する魚は何℃くらいの水を好むのか、知っておく事が大切です。適切な水温を知った上で、水温は毎日必ずチェックするようにしましょう。水温計は必須です。

特に新しく生体を購入した際、ショップなどの水槽内の水温と、これから入れる水槽との水温が大きく違うと危険です。水合わせをして両方の温度が同じくらいになってから徐々に新しい水に慣れさせていきましょう。

また夏は水温が上がりやすい為、水槽用のクーラーを。冬は水温が下がりやすい為、水槽用のヒーターを使用するなどし、水温の管理をする事も大切です。水槽が複数ある為は、エアコンを常時稼働し全ての水槽の管理を一括で行う選択肢もあります。

4「適切な水質を知る」

pH(ペーハー)という言葉は聞いた事があると思います。pHは水素イオン指数といい、酸性を0、中性を7、アルカリ性を14とし、その水質の度合いを数値で表すことが出来ます。

たとえば「人間の肌に良いとされている弱酸性」は、数値に置き換えるとおよそ4~6のあたりでしょうか。と、このように水質には性質があり、熱帯魚達が好む水質というものもあるのです。

たとえば元々酸性に傾いた環境にいた熱帯魚が急にアルカリ性の強い水に入れられたら……ショックを起こして最悪死に至ります。その為に新しく生体をお迎えするときは徐々に新しい水に慣れさせていく為に水合わせというものをするのですが、それは飼育してからも同じです。

その生体が好む水質を知っておくことで、生き生きとした健康的な飼育が出来ます。それは長生きにも繋がりますので知っておいて損はありません。

5「好むエサを知る」

ショップなどでは様々な熱帯魚用のエサが販売されています。大抵の熱帯魚はなんでも食べるので、「なんでもいいや」と適当になりがちです。ですが健康に飼育する為に、エサはよく選択するべきです。

たとえば小さな熱帯魚に粒の大きな人工飼料を与えても口に入らず食べる事が出来ません。その場合、つぶしてあげるか、最初からもっと小さな粒のものを買うか、という事になります。

また大きな魚に粒を数個あげてもお腹は満たされません。その場合、練り餌などの大きなエサを買うか作るか、という事になります。

水槽の底にいる魚は水面にバラまかれたエサに気付かないので他の魚に食べられてしまいがちです。その場合、すぐに沈下性(底に沈みやすい)のあるタイプのエサを買うか、という事になります。

また観賞魚の場合、発色を鮮やかにするエサなどもありますので、それらを選択するのもいいでしょう。

このように生体が好むエサも様々です。生体のサイズ、口の大きさ、生活域(低層~高層)によって適したエサを選択してあげて下さい。

6「繁殖を知る」

最低でも飼育する生体が水槽内で繁殖できるのか、できないのかだけでも知っておくといいでしょう。

熱帯魚も生き物ですので、当然繁殖行為を行います。知らない内に水槽内でどんどん増えて手に負えなくなる……なんて事は避けたいですよね。

水槽内にオスメスがいれば比較的簡単に繁殖できる種類もいれば、通常の環境化ではどうやっても繁殖が難しい種類もいます。繁殖に成功したとしても、急いで卵を別の容器に隔離しないと他の魚に食べられてしまうこともあります。

また孵化した稚魚が小さすぎる場合は、通常のエサではなく稚魚用のエサを用意したりしなければなりません。繁殖をさせたいならしっかりとした知識を持ってからするようにしましょう。

7「特徴を知る」

最後にこれが一番大切なことでもあるのですが、飼育する生体の特徴を知る事は、健康的な飼育をするうえでとても重要になります。

たとえば、ろ過装置に強力なフィルターを使用し水槽内に強い水流が生まれている環境では、強い水流を好む生体は生き生きと泳ぎ回りヒレが発達しその生体本来の美しい姿になるでしょう。ですが穏やかな水流を好む生体は、その強い水流により泳ぎ疲れてストレスになり、体調を崩したり寿命が縮まる可能性があります。

また、特徴を知る事で魚同士の相性も自然と見えてきます。

たとえば、尾びれがヒラヒラと長く綺麗な熱帯魚と、尾びれをエサを勘違いしてしまい突っついてしまう熱帯魚を一緒に飼育すると、綺麗な熱帯魚の尾びれは突かれてボロボロになってしまうでしょう。

このように生体の特徴を知る事で、混泳させるべきではない種類というものも分かってきます。飼育したい生体がどういう生き物なのか、まずはしっかりと知っておく事をおススメします。

簡単にまとめてみましたが、どれもこれからの飼育に役立つ大切な要素だと思います。これらの事を踏まえてじっくりと生体を吟味してみて下さい。大切に飼育すれば生体はきっと応えてくれるはずです。

以上、素敵なアクアライフを!