美しい水槽レイアウトを作る為に意識すべき5つのポイント!【アクアリウム】

毎年水槽レイアウトの美しさを競うコンテストが開催され、その見た目の美しさなどにも注目されているアクアリウム。

今や様々なメディアで世界中の人たちが作成した美しくオシャレな水景を見る事が出来ます。「こんな水槽が部屋にあったら……」なんて思う方にもオススメの、美しい水景を作る為の5つのポイントをお伝えします。

これからアクアリウムを始める方にも分かりやすく伝えたいと思いますのでよろしくお願い致します。あなたのアクアリウムが楽しいものになる事を願って。

基本的な構図を知る

水槽をレイアウトする際に用いる構図として、主に3種類の構図があります。

「えっ?水槽で構図?」と驚く方もいるかもしれませんが、カメラなどでも撮影する時により素敵に、より美しく見せる為に構図を強く意識する事はご存知の方も多いと思います。

水槽でも同じように構図を意識する事で、より洗練された見栄えのある水景を作る事が出来ます。

三角構図

まずは三角構図。これは紹介する3つの構図の中で一番簡単な構図だと思うので初心者の方にもオススメです。伸びてきた水草のトリミングもこの三角形を意識して行えばいいので分かりやすく簡単です。

水槽の中で三角形を作るイメージで素材を配置します。三角構図でより美しく見せる際に大切なことは三角形の高さをなるべく高くし、角度を大きくつけることです。

この構図を見た時、自然と三角形の高い部分に目がいきませんか?そして空いた空間に生体が泳いでいる姿をイメージしてみて下さい。一番高くなる部分と、一番低くなる部分のメリハリを強く意識するとよりダイナミクスが出て良いと思います。

もちろん逆向きでも大丈夫です!水槽を設置する場所、観賞する場所に合わせて好みの角度で構いません。

またこの三角構図は、30cmキューブ水槽などのレイアウトの選択肢が少ない小さな水槽でも作りやすい構図だと思います。

凹型構図

凹凸(おうとつ)の凹の形になるように配置した構図です。

実はこれ水槽レイアウトのコンテストなどでも非常に多く見られる人気の構図なのです。この構図を見た時、ポッカリと空いた中央に自然に目がいきませんか?この中央で美しい熱帯魚が泳いでいたら自然と視線を集めるハズです。

中央の空間をあえて空ける事で、全体的な美しさが際立つ、非常に奥深い構図と言えます。

この構図は水草が伸びてくると四角に近くなり構図が崩れやすいので、トリミングなどメンテナンスをしっかり行う事が美しい水景を保つ秘訣です。

凸型構図

凹凸(おうとつ)の凸の形になるように配置した構図です。

この構図を見た時、凹型とは逆のハズなのに中央に目がいきませんか?なんとも不思議なものですが、これは逆に左右の空間を生かした構図になります。

中央付近に熱帯魚が泳いでいても美しいのはもちろんですが、左右の空間に泳いでいる場合はより熱帯魚が目立つ事でしょう。この構図で何を泳がせようか……イメージが湧きませんか?

ちなみにこの凸構図は難易度が高いとされています。というのも実際の水槽には水景を維持する為のフィルターやエアレーション、CO2などの設備があります。

出来れば見せたくないそれらの配管(パイプなど)を隠すのがこの構図では困難で、ポッカリと空いた左右の空間のせいで逆に配管の方が目立ってしまう……なんて事になりがちです。

挑戦する場合はアクアショップや雑誌などの色んな凸構図レイアウトを見て参考にすることをオススメします。

素材に統一感を持たせる

流木、石、水草など水景を飾る素材は本当にたくさんの種類があり、その組み合わせもはや無限大のようにも思えます。

何を組み合わせていいか分からない、という方はシンプルな構成を試してみる事をオススメします。

・石組みレイアウト

石をメインにしたレイアウトです。存在感のある一番見せたい石をメインの親石とし、一番視線が集まる所に配置する事で迫力が出ます。石組みレイアウトでは石を邪魔しない、あまり伸びない前景草などの水草と組み合わせるのがオススメです。

・流木レイアウト

流木をメインにしたレイアウトです。流木には水草が相性が良く、枝状の流木と水草が絡み合うようにすると自然感が増します。さらに流木にモスや活着性(素材にくっつく特性)のある水草をつけるとより自然感が増します。

また素材だけでなく、熱帯魚などの生体も複数の種類を10匹入れるよりも、極端な話1種類を10匹入れる方が一体感が増します。

環境に合った照明・バックスクリーンでさらにコントラストを強調

ショーウィンドウなどでは見せたいものにライトを当て存在感を強調させます。それと同じで水槽もライトアップされている時が一番美しく見えます。

アクアリウムの照明には非常にたくさんの種類があり、太陽と同じような強力な光量を放つものや、水草の緑がより美しく見えるように調整されたもの。赤や青など様々な色が出せるものなど、作るレイアウトの雰囲気に合った照明を選択する事でより美しく演出できます。

また、水槽の背景に貼るバックスクリーンというものもあり、バックスクリーンを張るだけでも見違えるような水景になる事もあります。

その際は底床とのコントラストを意識して選択するといいでしょう。

・底床が明るい砂などの場合 → 黒のバックスクリーン

・底床が暗いソイルなどの場合 → 明るい青のバックスクリーン・背景に白の照明を当てる など

もちろんこの限りではありませんが、迷ったら底床の色合いと逆のものを選択するとお互いが映えます。

CO2で美しさをさらにアップ!(水草を植える場合にオススメ)

水草をたくさん植える方で美しい水景を作りたい方に是非ともオススメしたいのがCO2(二酸化炭素)の添加です。

細かく言うと水草の成長に必要な栄養素は多々ありますが、水草は光とCO2を取り込んで光合成を行い成長していきます。光は照明をつけるので大丈夫だと思いますが、CO2は何もしない通常の環境下では少なくなりがちです。そこで水槽内に人工的にCO2を添加してあげる、という訳です。

水槽内にCO2を添加する装置は様々なメーカーから出ていますのでお財布と相談して是非試してみて下さい。光合成を活発に行っている水草は葉の裏に無数の気泡をつけ、まさに植物が呼吸をしている様子が見て取れます。気泡がたくさんついている水槽は本当にキラキラとして輝いて見え、オシャレ感もさらに上がります。

定期的なメンテナンスで常に美しく!

これが一番大切と言っても過言ではないのですが、美しくオシャレな水景を維持するには日々の水槽の管理が大切です。

水槽は「今日は来客が来るから掃除して綺麗にしよ」といって綺麗にできるものではありません。熱帯魚など生体がいればフンが出て水が汚れ、汚れた水がコケなどを発生させ水槽のガラス面に張り付きます。

また成長しすぎた水草を放置していて水面を覆ってしまっていては下の方の水草に光が届かず成長が止まったり、腐ったり枯れたりします。「美しい水槽」を作るなら毎日美しくなくてはいけません。

その為に水草が伸びてきたらトリミングをし切り揃え、コケが出たら取り除き、汚れた水を交換する為に水替えをする、など小まめな手入れが必要です。

水槽はかけた手間暇の分だけ見た目になって返ってくるものだと思います。日々のメンテナンスの助けとして、タンクメイト(コケなどを食べてくれる生体)を水槽に入れるのもオススメです。

(おまけ)自然から学ぶ

ご存知の方もいると思いますが、黄金比という言葉があります。これは、対象が「1:1.618(近似値)の比率の時、最も美しく見える」という概念です。黄金比を意識して創作する芸術家も多く、それらは美しく見せる為に計算されています。

実はこの黄金比は生き物や植物など、自然界には無数に存在していると言われています。我々が自然を見て「美しい」と思えるのは、その景色・風景・水景が黄金比から成り立っているものだからかもしれません。

美しい水槽レイアウトを作成する場合は、是非自然からもヒントを得て欲しいと思います。自然の水の流れ、流木や石に付着したコケ、繁栄した水草など、実際のレイアウトに参考になるものばかりです。実際に南米アマゾンや東南アジアの川などの水景をイメージして作られた水景などもあります。

これはADAの天野氏が提唱したネイチャーアクアリウム(自然の水景をそのまま再現しようとする手法)が世界的に広く認知された事だと思います。「自然が一番美しい」と日頃から自然をリスペクトする事は、アクアリウムをする上できっとあなたの役に立つハズです。

また、関連書籍なども参考になるレイアウトが載っていてイメージしやすく、そのレイアウトを作るにはどうすればいいのか丁寧に書いてある為こういった本を参考にするのもオススメです。

では、素敵なアクアライフを!

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