肥料で水草は美しく育つ!?液肥などを添加するメリットとデメリット【アクアリウム】

奇跡のようなバランスで成り立っている大自然と比べてしまうと、アクアリウムにおける小さな水槽内のバランスはいとも容易く崩れてしまいます。

大事な水草が枯れてしまったり、思うように育たなかったり、水草の育成に頭を悩ませている方も多いと思います。

そんな時に、液肥などの肥料を与える事で水草の成長を助けてあげる事ができます。

【完全保存版】水草の育成に必要な栄養素一覧!欠乏時の症状も一緒にチェックしよう!

ですが、ただ闇雲に「肥料を与えれば良い」という訳でもありません。肥料を与える事によるメリット、デメリットをお伝えしたいと思いますので是非最後までご覧下さい。

肥料のメリットとは

・水草の成長を助ける

やはり肥料を与える目的として第一は水草の成長促進です。水槽内で不足しがちな栄養素を肥料で補ってあげる事で、水草の成長を助けてあげる事が出来ます。

水草の成長には欠かせない3つの栄養素があります。それは「窒素」「リン酸」「カリウム」です。このどれか一つでも足りていないと水草は元気に育ちません。

ただそこでひとつ注意が必要なのが、「必要のない栄養素は添加しない」という事です。

「窒素」は水槽内に住み着いたバクテリアがフンや残餌を分解して出来たり、生体が生活していれば自然に発生するのでそこまで過敏にならなくてはいいと思います。水槽サイズに対して生体が極端に少ない状態や、水草の葉色が薄くなったりした場合などは添加をすることで改善の可能性があります。

「リン酸」は結構厄介で、大抵の環境化では過剰になりがちです。黒いヒゲのようなコケが出た場合はリン酸が溜まっている可能性が高い為、フィルター掃除をするなどして取り除く必要があります。また、生体のエサに人工飼料を与えている場合、人工飼料にも「リン酸」が多く含まれていますのでますます過剰になりがちです。

その点「カリウム」は比較的不足しがちになります。水草の育成が思うようにいかない場合、「カリウム」を添加する事で上手くいく事が多々あります。

・長期的な維持が可能

栄養が含まれたソイルを使用していても、半年~1年くらいでソイルの栄養は徐々に無くなっていきます。もちろん栄養が無くなってしまうと水草は枯れてしまうので、肥料を追加する事で、いつまでも美しい水草を育てる事が可能になります。

肥料の種類

・液体タイプ

液体タイプの肥料は、主に水槽内に直接注いで使用します。活着する水草や浮草など、水中から栄養を吸収するタイプの水草にオススメです。

プッシュすればすぐに水槽全体に行き渡る為、全体的な効果が期待できますが固形タイプと比べて水質変化が起こりやすいです。固形タイプと比べて添加量の調整がしやすいので効果を確認しながら添加量の増減が可能です。効果を最大限に高める為に水草が光合成を始める照明点灯前に添加するのが良い、とされています。

<液体タイプの売れ筋商品>

・固形タイプ

固形タイプの肥料は、主に底床などに埋め込んで使用します。大型の水草や前景草など、しっかりと根を張り根から栄養を吸収するタイプの水草にオススメです。

ゆっくりと溶けながら栄養を拡散させていくので液体タイプと比べて水質変化が起こりにくいです。底床が砂や砂利など、栄養分を含まない底床で水草を育てる場合などは固形タイプをあらかじめ底床に埋めて使用するといいでしょう。成長を促したい水草の根付近に埋めるなど、比較的ピンポイントな使い方も出来ます。

<液体タイプの売れ筋商品>

水草の状態に対して与える肥料の種類

・水草の成長が遅いor悪い

「カリウム」を与える事で成長が促進される可能性があります。

・水草の葉色が薄い

「窒素」を与える事で葉色が濃くなる可能性があります。

・肥料の効果が薄い

「微粒元素(鉄分やマグネシウムなど)」を与える事で水草が効率よく栄養補給出来る為、肥料の効果が高まる可能性があります。

・水草が白化してしまう

「鉄分」を与える事で発色が鮮やかになる可能性があります。

肥料のデメリットとは

・コケが繁栄しがち

肥料を添加をし過ぎると、水槽内に栄養が過剰に存在する状態になります。水草が成長に使っても余っている栄養は全てコケの養分となりコケが増殖します。

水槽内の環境は、使用している素材・生体・水草などによって変わりますので「このくらいの量をあげればいい」と一概には言えません。

そこで心に止めておいて欲しいのは、冒頭の方でも言いました「必要のない栄養素は添加しない」という事です。

肥料を添加すればするほどコケも増えてしまう可能性があります。人間で言うサプリメントのような位置付けで、あくまでも水槽内で不足しがちな栄養素を補うものとして捉えておいた方がいいです。

ちなみに固形タイプの肥料をソイルの中に埋めている場合などは、過剰だったと気付いても取り出すのが困難な場合があります。不安な方は様子を見ながら添加・調整ができる液体タイプの肥料がオススメです。

・肥料のコスト(費用)がかかる

当然と言えば当然ですが、単純に肥料を購入する為のお金がかかります。これを美しい水景の為の投資ととるか、デメリットと取るかはお任せします。

・水質が変わることも

肥料を添加する事で水質(pHなど)が変わってしまう場合があります。与える量にもよりますが、小さな水槽ほど影響が顕著に出ます。生体へのダメージが不安な方は与える肥料についてよく調べてから添加する事をオススメします。と言っても最近は水質が変わらない肥料というものも出ていますので、不安な方はそういった肥料を選択するのも良いでしょう。ゆっくりと溶けていく固形タイプより、すぐに水槽全体に行き渡る液体タイプの方が水質変化が起こりやすいです。

まとめ

以上、肥料を添加するメリットとデメリットについてでした。肥料を添加する場合は自分の環境に合わせて、少しずつ様子を見ながらやっていきましょう。

こうやって考えると、何も添加しなくても生き生きと水草が育つ自然ってのは、本当に奇跡のようなバランスで成り立っているんだなぁ、と尊敬せざるを得ません。人工的に自然のようなバランスを作る事ができれば、きっと素晴らしい水景になる事でしょう。

では、素敵なアクアライフを!