太めの黒いストライプ模様がとても美しいシマカノコ貝。ガラス面の藻やコケを食べてくれることから水槽内で熱帯魚と一緒に飼育をするタンクメイトとして人気があります。
そんなシマカノコ貝の飼い方・餌・繁殖・寿命など、必要な情報をまとめました。
名前
シマカノコ貝
学名:Neritina paralella(※流通名で記載する場合があります)
東南アジア原産のカノコガイの仲間です。
汽水域に生息する巻貝なので一般的な飼育環境化では繁殖は困難です。勝手に増えすぎて困ってしまう、なんて事はないでしょう。
体長(サイズ)
約3~4cm
黄色味がかった殻に黒の縞模様と、とてもカラフルな色彩が魅力的な種類です。個体差の激しい模様が特徴的なのでお気に入りの模様の子を見つけるのも一興です。黒い縞模様が曲がっているものもある為、イナズマカノコ貝と呼ばれる事もあります。
貝を食べる大型の魚とでない限り、混泳も問題ありません。ヤマトヌマエビなどのエビとの混泳も問題ないでしょう。
寿命
約1~2年
飼育する環境による所が大きいですが、一般的な寿命です。
本来汽水に生息する種類の為、淡水の環境では比較的寿命が短くなる傾向があるようです。
特徴
優秀なコケ取り能力
やはり特筆すべきはそのコケ取り能力です。水草や流木、石やガラス面、フィルターやヒータのパーツなどあらゆる所の藻やコケを削り取っていきます。
特にエビが苦手なガラス面の掃除(コケ取り)はシマカノコ貝に任せると、スクレーパーのように通り道を綺麗にしてくれます。
ただガラス面上部から落ちたり、ひっくり返っている場合は注意が必要です。
底床がサラサラしている砂などの場合は自力で起き上がるのが難しい為、見つけたら起こしてあげましょう。
またカノコガイの仲間は夜行性が強く、元気な個体は余裕で水槽の上面まで登る事があり、脱走する危険性もありますので蓋(フタ)をするなどの注意が必要です。
ガラス面に貝が張り付いて景観を損ねるのが嫌な方は、ヤマトヌマエビなど他のタンクメイトがおすすめです。
水温・水質(pH)
20℃~28℃・弱酸性から弱アルカリ性(pH5.5~7.5)
水温は割と広めに適応でき、水質は弱酸性から弱アルカリ性までであれば、どのあたりでも問題ないでしょう。
とは言え急激な水質の変化はストレスになりますので水槽導入時は水合わせを行うようにして下さい。
またヒーターを使用している環境では、ヒーターに直接張り付くと火傷のおそれがありますのでヒーターカバーをつけてあげるといいでしょう。
餌(エサ)
水槽内の藻やコケ
基本的には藻やコケなどをパクパクして削り取っています。
立ち上げ時の水槽内にまったくコケのない状態や、流木や石など素材が全然ない状態だと食料がなくなりがちですので注意して下さい。
底床や水草や石や流木などがある程度存在する環境なら問題ないでしょう。
ゆっくりとした動作で微細なコケなども食べていますので、特に餌を気にする事はありません。
繁殖
汽水の環境が必要
暖かくなる季節に交尾をし、岩や流木、個体の体などに白い卵嚢をいくつも産み付けます。(卵嚢の中には100個程度の卵があります。)
孵化した幼生(ベリジャー幼生)はしばらく浮遊しながら海まで下っていき、成長したら汽水域まで登っていき幼貝となり、さらに成長しながら淡水域まで戻ってきます。(両側回遊型)
その為、一般家庭の環境では繁殖はかなり難度が高いです。
その他の似た種類
黄色と黒の鮮やかな配色でサザエのようなトゲのついた殻を持つ石巻貝。
ガラス面についているコケなどを食べ、コケ取り生体として活躍が期待できる貝。
主に糸状のコケなどを食べ、コケ取り生体として活躍が期待できる種類。