コリドラスに多い病気・体調不良の原因とその対策について【原因は水質?餌の量?】

水槽の底面を泳ぎ回るキュートな姿が人気の熱帯魚「コリドラス」ですが、汚れが溜まりやすい底面をおよぐ魚だけに、水質の管理には慎重になる必要があります。

餌とフンが同じ底面にある以上、水質悪化の影響をダイレクトに受けやすい為、餌の量や定期的な水質チェックなど、コリドラスは他の魚よりも慎重に水質を管理し、適切な水槽メンテナンスを行わなくてはなりません。

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ここではそんなコリドラスに多い病気やその対処法など、症状別に紹介していきたいと思います。

いずれの症状も早めの対処がとても大切になってきます。これはコリドラスに限った話ではありませんが、病気になってから治療するのではなく、病気にならないような環境づくりがとても大切です。日ごろから水槽の観察・コリドラスの観察は怠らないようにしましょう。

※管理人の飼育経験があるものがパンダや白コリ・青コリ・赤コリなどショートノーズタイプのものが多い為、その他の種類に関しては当てはまらない場合もありますので予めご了承下さい。

コリドラスに多い病気とは!?

コリドラスを飼育する際、一番気を付けなければいけない病気は「エロモナス感染症」でしょう。

その一番の原因はやはり水質の悪化と言われています。コリドラスが不調になる原因は様々ですが、そのほとんどが水質悪化が原因と言っても過言ではないくらい、水槽の底を泳ぐコリドラスにとって水質の変化が大きく体調に影響を与えます。底床に汚れが溜まってしまったり、過密飼育によるコリドラス同士の接触などでエロモナス感染症は一気に水槽中に広まってしまいます。

逆に言えば、日頃からキチンと水質の管理をしておけば予防する事ができる病気ですので、「底砂は薄めに敷く(汚れが溜まりにくくなる)」、「ろ過不足にならないようフィルターを見直す(水質が安定する)」、「餌を与える量を減らす(汚れが溜まりにくくなる)」、「水槽内の掃除をマメに行う(水質が安定する)」などなど、日ごろからコリドラスの状態を観察し、万が一の時には早めの対処が出来るようにしておきましょう。

コリドラスの病気が疑われる症状と対策

あくまでも自分の経験上での話ですが、コリドラスの調子の目安を簡単に測る場所として、「背びれ」で調子の良い悪いがなんとなく分かります。コリドラスは往々にして、元気な時は背びれをピンと立てています。堂々とした印象を受けます。

逆に元気がない時は背びれが体側にピタッと畳まれている事が多いです。萎縮したような印象を受けます。

もちろん元気な時でも背びれを畳む事はありますので、あくまでも大まかな目安として覚えておいて下さい。いつ見ても背びれを畳んでいる場合、そのコリドラスは不調である可能性が高いです。背びれを畳んでいたら「あれ?どこか悪いのかな?」と注意して観察し、水替えを行い様子を見て下さい。症状が初期の軽いものであれば水替えで改善される事が多々あります。

また、以下の症状に当てはまる場合は合わせて対処を行ってください。

症状①エサを食べてくれない

いつも餌を投入すると元気にモフモフしていたコリドラスがじっとして餌に見向きもしない。そんな場合は危険です。そのまま餌を食べないとどんどん弱っていき餓死してしまいますので早めに対処しましょう。

<考えられる原因>

ストレスの可能性があります。水槽内に汚れが溜まっていないでしょうか。底面を泳ぐコリドラスはフンや餌の残りなど、汚れが溜まりやすい底を泳いでいます。底床の汚れは綺麗な水を好むコリドラスにとってはかなりのストレスになります。また、餌はあげ過ぎていないでしょうか。餌がいつまでも残っているとカビが発生したり、水質悪化の原因になりますので餌のあげ過ぎには注意です。さらに、水槽を叩いたり、揺らしたり、水中に手を突っ込んだりを過剰に行っていないでしょうか。これらの行動は臆病なコリドラスからすると大きなストレスになります。水換えの頻度が高すぎるのも(水中に手を突っ込んだりする事が増えますので)考え物です。

<対策>

まずは1/3程の水替えを行うと共に、底床の掃除を行いましょう。その際に餌の残りなどがあればカビが発生しないように取り除いておきましょう。また、普段から人工飼料を与えている場合、赤虫などの生餌を与えてみましょう。人工飼料には見向きもしない場合でも赤虫などの生餌には反応する事があります。赤虫などの生餌でも食べようとしない場合は相当弱っていますので、ブラインシュリンプなどコリドラスに負担の少ない小さな餌を与えてみましょう。

症状②口ひげが短い・無くなっている

<考えられる原因>

カラムナリス菌に侵されている可能性があります。底床に角の尖った砂などを使用していないでしょうか。コリドラスはその特性上、底床の砂に口を突っ込んで餌を探します。角の尖った砂を使用している場合、その拍子にヒゲがこすれて切れてしまう場合があります。また、底床の汚れからくる病原菌の影響を受けている可能性があります。粒の細かい砂を厚めに敷いている場合、底の方で目詰まりし水通しが悪くなり、嫌気性の病原菌が繁殖してしまう事があります。病原菌は砂で傷付いた少しの傷でも入り込んでしまう為、この二つの原因が合わさった時に起こりがちな症状です。

<対策>

まずは1/3程の水替えを行うと共に、底床の掃除を行いましょう。そして底床に角の尖った砂を使用している場合、コリドラスのヒゲを傷つけないように角の丸い砂に切り替えましょう。また底砂を隅々まで綺麗に掃除する自信がない場合、底砂は薄く敷くようにしましょう。底砂を薄く敷く事で掃除の時に汚れを取りやすくなり、嫌気性の病原菌の発生する可能性を下げる事が出来ます。ヒゲが再生するのはよほどの事がないと難しいと思いますが、水換えの際に底床の汚れを綺麗に掃除し、悪化しないようにする事が大切です。

症状③ヒレが欠けている

<考えられる原因>

ストレスの可能性があります。コリドラスをいじめる(つっつく)魚が同じ水槽内にいないでしょうか。コリドラスは水温・水質の変化や他の生体から受けるストレスで、ヒレが欠けてしまう尾腐れ病などの病気を発症する事があります。

<対策>

水質の可能性もありますので、1/3程の水替えを行うと共に、底床の掃除を行いましょう。コリドラスをいじめる(つっつく)魚が同じ水槽内にいる場合は、別の水槽に移動させストレスの要因を無くしていきましょう。また、欠けてしまったヒレが再生する可能性はないと言っていいでしょう。その為、ヒレが欠けているなどの症状が見つかった場合はこれ以上悪化しないよう、早急に対策してあげて下さい。

症状④沈まない(浮いてきてしまう)

<考えられる原因>

餌の食べ過ぎの可能性があります。人工飼料や赤虫など、餌をあげ過ぎていないでしょうか。餌の食べ過ぎでお腹にガスが溜まり、そのせいで体が沈まなくなっている可能性があります。

<対策>

餌の量を見直して下さい。コリドラスは大食漢でよく食べますのでついついあげ過ぎてしまいますが、適量を見極めるのが大切です。飼育している環境・生体の数によって違うので一概に量を指定する事は出来ませんが、しばらく餌を控えて様子を見るのもアリです。また、体が浮かないように固定できる石や流木の洞窟などを入れるのも有効です。コリドラスもそういったものがあればその中に入り、落ち着くまでじっと休むハズです。

症状⑤横向き・斜めになっている

<考えられる原因>

水質悪化によるストレス・栄養失調などが考えられます。この状態はかなり危険で瀕死の状態です。人間で言うと「フラフラしてまともに立っていられない」状態です。

<対策>

正直かなり厳しい状態ですが、僕はショップで買ってきた青コリが、水合わせ中にこの状態になり、その後奇跡的に復活した経験があります。それは「良質な水質の飼育水を与えること」です。急激な水質の変化はダメージがあり諸刃の剣なのですが、横たわるコリドラスがいる水合わせの容器内に、現在コリドラスが元気に泳いでいる水槽内の飼育水を半分以上入れました。ダメ元だったのですが、10分後見事立ち直り、無事お迎えが出来ました。この時は水質が大きな要因だったと考えられます。

症状⑥背びれや尾びれ周辺に水泡がついている

<考えられる原因>

水質悪化から派生する寄生虫などの外的要因の可能性があります。茶ゴケなど大量に発生していないでしょうか。この状態はかなり危険で瀕死の状態です。半透明の水泡がヒレの根元付近に無数に発生し、僕の経験ではこの状態のコリドラスを確認後、2日後に亡くなりました。

<対策>

正直かなり厳しい状態です。考えられる対策としては1/3程の水替えを行うと共に、底床の掃除を行うことでしょうか。ちなみに僕は濃い目の塩水浴も行いましたがダメでした。

まとめ

以上、【原因は水質?餌?】コリドラスに多い病気・症状とその対処法についてでした!経験上コリドラスの不調のほとんどは水質悪化によるものと認識しています。日頃からよく観察し、底床の掃除などしっかりやっておきたいですね。

ここにあげた症状は飼育している環境化によって原因が異なる場合もありますので参考程度に見て頂けたら幸いです。また、「この病気はこれやったら治ったよ!」など、その他で良い対処法などありましたら教えて頂けると嬉しいです。

では、素敵なアクアライフを!