ミナミヌマエビはヤマトヌマエビと同様に水槽内のコケや餌の残りなどを食べてくれる掃除屋さんです。水槽内を綺麗に保つために是非導入したいエビですが、サイズの小ささから他の魚の餌になってしまう事もあるため混泳には注意が必要です。
そんなミナミヌマエビの飼い方・餌・繁殖・寿命など、必要な情報をまとめました。
名前
ミナミヌマエビ
学名:Neocaridina denticulata(※流通名で記載する場合があります)
主に西日本や朝鮮半島・中国や台湾に生息する淡水エビです。基本的には地味な体色をしていますが、飼育環境により赤や青、濃い褐色のものや白いものなどが見られ、改良により色彩を固定した種類も作出されている人気種です。水槽内での繁殖も可能なのでエビちゃん好きは是非チャレンジしてみて下さい。
体長(サイズ)
約2~3cm
ヤマトヌマエビと比べると一回り小さいサイズです。体が小さいので食べる量も少なくなるため、コケ取り生体として飼育する場合は多めに入れると良いでしょう。
寿命
約1~2年
飼育する環境による所が大きいですが、一般的な寿命です。
特徴
コケ取り能力と雑食性は貴重だが混泳には注意が必要
やはり特筆すべきはそのコケ取り能力です。ソイルや水草や流木などあらゆる所の藻やコケを綺麗に食べてくれます。
とは言え食性は雑食性で、熱帯魚のエサの食べ残し、水槽内の微細な有機物までも食べる為、タンクメイト(水槽内の掃除屋)として非常に優秀です。ただ、そのサイズの小ささからヤマトヌマエビと比べるとコケ取り能力は劣ります。その分数をたくさん入れてカバーしましょう。
ツルツルと滑るガラス面は少し苦手な為、ガラス面のコケ取りには石巻貝など他のタンクメイトがおすすめです。
また、水槽の外に飛び出してしまう事故もよく起こる為、飛び出し防止策として蓋(フタ)をすることをオススメします。
そしてミナミヌマエビの飼育で一番気をつけなければならないのが混泳です。ミナミヌマエビの単独飼育をする方は少なく、他の魚と混泳をさせ、水槽内を綺麗に保つ為に導入される方が多いかと思います。このミナミヌマエビ、釣り業界では釣り餌としても使用される事があるほど魚達の大好物なのです。小さなカラシンなどの種類との混泳は問題ありませんが、ミナミヌマエビが口に入る中型~大型の魚との混泳は避けましょう。
水温・水質(pH)
12~26℃前後・弱酸性~弱アルカリ性(pH5.5~8.5)
ミナミヌマエビは比較的低い水温でも耐えられます。混泳させることが多いと思うので水温は多くの熱帯魚と同じく26℃前後で問題ないでしょう。
水質は比較的気を遣う必要はなく、弱酸性~弱アルカリ性であれば問題ないでしょう。
ただやはり導入時などは気を遣い、水合わせの際は点滴法などでじっくり時間をかけて水に慣れさせるとより安定した導入が可能です。
餌(エサ)
水槽内の藻やコケ・人工飼料・冷凍赤虫など
基本的には糸状の藻やコケなどを好んでツマツマして(食べて)いますが、人工飼料や冷凍赤虫なども食べます。
人工飼料に慣れてしまうとコケ取りをあまりしなくなってしまう為、あげすぎないように注意が必要です。
サイズが小さいため、なるべく小型の餌を与えるといいでしょう。
また多くの熱帯魚が好む冷凍赤虫も喜んで飛びつきます。こちらも大事そうに抱え込んでせっせと口に運ぶ姿が見られます。
繁殖
水草が繁栄する環境が理想
ヤマトヌマエビの繁殖は汽水の環境が必要ですが、このミナミヌマエビは淡水の環境で繁殖ができ、水槽内での繁殖が容易です。
ある程度まとまった数を飼育していると抱卵した個体を見かける事が出来ます。大卵型の為、比較的大きな卵を生みます。
さらに孵化した稚エビですが、この稚エビが魚達の格好の餌になってしまいます。ウィローモスなどの水草を多めに入れ、稚エビが食べられないよう隠れ家となる場所を多く作ってあげるといいでしょう。
またフィルターに吸い込まれてしまう事故もよくありますので、ストレーナースポンジをつけるなど、稚エビが吸い込まれないように注意して下さい。
その他の似た種類
主に糸状のコケなどを食べ、コケ取り生体として活躍が期待できる種類。
コケ取り生体として活躍が期待できる種類。一般的に並オトシンと呼ばれる事が多く、流通量も多い種類。
主に茶ゴケなどを食べ、並オトシンよりも丈夫で、コケ取り能力も高い種類。茶色の肌に薄く斑点模様が入る。